
ロープだらけに見える船を、
分解してみます。
少し興味がわいてきたけれど、何かたくさんロープがあってややこしそう。そう思った方へ。もう少し近寄って、部分ごとに見ていきましょう。
アメリカ生まれの、
双胴のヨット。
考案者「ホビー・アルター」の名前をとって、ホビーキャットと呼ばれます。「趣味の猫」ではありません。
私たちが中心に乗っているのは、その中でも最もオーソドックスな ホビー16フィート クラス。左右2本の船体(ハル)を橋でつないだ形をしていて、その上に張った布の上に人が乗ります。
単胴のヨットに比べて、圧倒的に速い。そして、倒れにくいわけではありません。だから面白いんです。

まず、正面から。
帆と、船体と、それを支えるワイヤー。上半分の作りはこれだけです。
セイルSAIL
前の三角形が「ジブセイル」、後ろの大きいほうが「メインセイル」。ウインドサーフィンと同じように「バテン」という骨が入っているので、常に美しい流線型を保ちます。この形が、高速で走るためのパワーを生みます。
ハルHULL
船体です。2本のバナナを橋でつないだような形。細くて鋭いので、安定した高速帆走に向いています。ただし小回りは単胴艇に劣ります。波に突き刺さって前転し、ひっくり返ることもあります。
ステーSTAY
マストを支えるワイヤー。各ハルからサイドステーが1本ずつ出ているだけの、実にシンプルな構造です。
バウBOW
艇の前部。刀のように鋭い形をしています。この形が波を切って、抵抗を減らします。
次に、横から。
人が触るのは、ほとんどこちら側です。ロープの正体もここで分かります。
ブームBOOM
メインセイル下端の白い横梁。セイルの角度を調整します。張りを調整するブームバングは付いていません。
シートSHEET
いわゆるロープです。白いシートはジブセイル、青いシートはメインセイルの角度を調整するもの。たくさんあるように見えて、役割で分けると数はわずかです。
トラピーズワイヤーTRAPEZE
取っ手の付いたワイヤーが、上から2本垂れ下がっています。艇が風で傾くとき、これにぶら下がって倒れないようにします。体を海面の上に投げ出す、いちばん派手な瞬間です。
ティラーTILLER
先に赤い球が付いた黒い棒。艇尾のラダー(舵)につながっています。ほかの種類のヨットと比べて、かなり長く作られています。
トランポリンTRAMPOLINE
人が乗るところ。布をロープで編み上げてあります。2畳以上の広さがあるので、走っていないときは寝転がれます。海の上での昼寝は、ここでします。
沈起こし用ロープRIGHTING LINE
艇がひっくり返ることを「沈(ちん)」といいます。ホビーキャットは起こしにくい構造なので、引き起こし専用の太いロープがトランポリンの下に備えてあります。

車でいえば、
アクセルにあたるロープ。
メインシートはブームを出し入れして、艇速をコントロールします。走っている間、いちばん頻繁に触る場所です。
ただ、これが大変に力の要る作業です。そこで3連ブロックという滑車を使って、6分の1の力で引けるようにしてあります。通し方が少しややこしいので、そこはよく見て覚えてください。
ジブセイルのほうは、白いシートで出し入れして、メインセイルにきれいに風が流れるよう整えます。2枚の帆で1つの流れを作る、という感覚です。
次に、読むなら。
